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家族信託は自分でできる?かかる費用や手続きの流れ、注意点など

信託契約とは、「委託者」が財産を「受託者」に預け、運用・管理・処分をしてもらう契約をいいます。

そのほかに、委託によって利益を得る人を「受益者」といいます。
家族信託とは、自己が「委託者」となって、家族が「受託者」となる、信託をいい、営利を目的としない、民事信託の一種です。
家族の高齢化による能力の低下や相続に伴うトラブルを柔軟に解決する制度として、家族信託は注目されています。
そこで、このページでは、家族信託は自分でできるのか、費用・手続き・注意点についてご説明します。

 

◆家族信託は自分でできるのか
家族信託は、指定した方法で財産の管理処分を委ねる「契約」です。
契約は、当事者の意思の合致により、その効力が発生するものなので、自分自身で契約書を作成して、自分で家族信託を行うことが可能です。
一から契約書を作るのはなく、既存のひな型を整理して目的にあった条項を盛り込むことで、自分の意思に合致した家族信託をすることができます。

 

◆費用について
自分で家族信託を行わず、専門家に依頼をする場合、総額80万~130万円程度の費用が掛かります。
一方で、家族信託を自分で行うことには、費用が低額で済むことにメリットがあります。
具体的には、


・信託契約書の収入印紙代 200円
・公正証書の作成 信託の対象となる財産の総額によって異なります。500万円を超え1,000万円以下の場合、17,000円、1,000万円を超え3,000万円以下の場合は23,000円、3,000万円を超え5,000万円以下の場合は29,000円、となります。
・信託登記の登録免許税 建物の場合、固定資産税評価額の0.4パーセント
            土地の場合、固定資産税評価額の0.3パーセントとなります。

 

◆手続きについて
家族信託の手続は以下の通りになります。

 

・契約内容の決定
家族信託契約はオーダーメイドでその内容を決めることができます。
しかし、契約の骨組みとなる、目的・対象となる財産の範囲・委託者と受託者・信託期間・期間満了後の財産の管理・信託管理人の選任を明確にする必要があります。

 

・家族信託契約書の作成

上で決めた契約の内容を、信任契約書の内容に明確化します。
信託契約書は院試税法上の課税文書にあたるため、200円の収入印紙が必要となります。

 

・公正証書の作成
信任契約書の効力は当事者の意思の合致、記名押印によって確定的に生じます。
もっとも、裁判における証明力、債務不履行時の執行力・内容の安全性を確保するために、厳格な手続きを経て、公正証書を作成することが多いです。

 

・信託登記
不動産等名義のある財産を対象とする場合、受託者に名義を変更する必要があります。

その際には、信託財産である旨の明記がなされます。

 

・金銭信託用の信託口座開設
金銭を信託する場合には、金銭を管理するための信託専用口座を開設する必要があります。

 

◆注意点について
家族信託の注意点は以下の点にあります。

 

・受託者が負う義務
家族信託により、受託者は、財産を管理者として注意して管理する義務、信託契約上の義務、収支を記録・管理する義務等を居ます。
そのため、受託者の理解を得られず、目的を達成できないおそれがあります。

 

・代理権が与えられるわけではない
委託者の身上監護上の手続を受託者が行うことは原則としてできません。
これには、別途、代理権が与えられる必要があります。
目的との関係で、家族信託が適切か考えることが重要といえます。

 

・受託者の死亡の備え
家族信託において、受託者・受益者が死亡した時に備え、死亡後の受託者・受益者をあらかじめ指定することができます。

なお、信託から30年経過した後は、受益者の承継は一度しか認められないという30年ルール(信託法91条)があります。

 

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弁護士紹介/LAWYER

私は弁護士になる前、税務署職員として15年間、相続税の調査に従事し、100件を超える相続案件に接して参りました。その中で、遺産分割で揉めてしまい、多額の相続税を支払うことになってしまった方を数多く見てきました。

このことから、相続問題を真に解決するためには税務もわかる弁護士が必要だと痛感し、弁護士を目指しました。

また、相続税路線価の作成業務にも携わり、不動産鑑定士として不動産鑑定業に従事してきましたので、不動産の評価にも詳しいと自負しております。この経験を活かし、法務と税務のお悩みをワンストップで解決していきます。

弁護士 小松 真理(こまつ まり)-香川県弁護士会

小松真理弁護士の写真
  • 主な経歴
    • 香川県綾歌郡宇多津町生まれ
    • 坂出市立東部中学校卒業
    • 香川県立丸亀高等学校 卒業
    • 奈良女子大学 文学部卒業
    • 東京国税局入局
    • 以後、東京国税局管内の税務署にて主に相続税を中心に税務行政に携わる。
    • 不動産鑑定士 登録
    • 司法修習(東京)
    • マリトラスト税務法律事務所(香川県弁護士会登録) 開業
    • マリトラスト不動産鑑定所 (公益社団法人香川県不動産鑑定士協会会員)開業

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